スズメバチ

それは、たった一匹のスズメバチから始まった。

朝、きれいだからという理由で会長夫人が持参されたスズメバチの巣。
個人的にはきれいというより気持ち悪いと思ったのだけど。

こともあろうに、それを受付にとおっしゃる。

それじゃあ、お客様も帰っちゃいますよ？とは言えず。
とりあえず、受付近くのカウンターに所在無げに置かれた。

午後。
何気にスズメバチの巣に近付いた某部長が「ハチがいる！」と言ったことから大騒ぎに。
そう、ちゃんと処理して持ってきたはずの巣に生存者がいたのだ！
仕事はそっちのけとなり、みんな少しでも蜂の巣から遠ざかろうとする。

小さなハチをやっつけようと、大人が数人掛り。
まずはゴミを捨てる大きなビニール袋に巣を入れ、殺虫剤を吹き掛ける。
逃げるハチ一匹を追いかけ、殺虫剤で弱ったところをやっつけて。
ようやくハチ騒動は一段落。

まったく、迷惑以外の何者でもない「スズメバチの巣」でした。